福山誠之館同窓会 > 所蔵品 > 00205「奉賀 鰐水先生華寿」鶴田皓

00205「奉賀 鰐水先生華寿」鶴田皓

「奉賀 鰐水先生華寿」 00205
鶴田皓 
絹本 71×93 cm

↓読み
西
 
 
寿
 
 

↓読み下し
西
 
 
寿
 
 
 

大  意
江木氏は連年、汗馬の様に、東西に活動し通し、その間老中首座阿部正弘に仕え、正弘を助けて藩と国家(政府)に折衝し尽くした。例えば、誠之館教授としての学事、兵学家として長州征伐、箱館戦の軍監(軍督)として、維新後は藩知事を助け、参事として、之等皆折衝奮斗したおもなものである。これはほんとに苦労されたものである。
幕府は倒れ、明治維新政府が出来て、一応争乱は定まって、乱れた跡を留めない。
江木氏の家は儒学の修業をして、後兵学家となった。中国漢帝を助けた張子房(張良)の家に似ている。(学問の家から出て、兵法家となり、次ぎに政治家になった事)
これから先、即ち前途は、新時代に応じて、それにふさわしい仕事をしなければならぬが、何分にも老年になったので、赤松子(せきしょうし)にならって、仙人のように暮し、時々世間に出没されては、如何でしょうか。

訳 注
鰐水先生 江木鰐水のこと
子房(しぼう) 張子房のこと
鶴田皓(つるた・あきら)

出典1:『江木鰐水関係古文書綴』、松浦董雄、福山誠之館同窓会、平成12年8月