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00192七言律詩「新営小塾」草場船山

 

七言律詩「新営小塾」 00192
草場船山 書
29.3 × 21.6 cm

 

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大 意
新設の我が小さな塾は、粗末な門の傍にある
しかし窓から見える周囲は山緑にして、河が軒下を流れている
人は我が塾を称え慕ってくれるが、それは父のお蔭に過ぎない
官から頂いた閑な地位は、これまた君主のたまものである
借家住まいは厭である
大きな卵を小さな鶏のつばさで温めるようなことに、どうして耐えられようか
私の願いは門弟たちが互いに切磋琢磨して大きな功を立てることである
嘆かわしいことに、そのような大人物は入門してくれない
 自分の気持ちを書いて、製写して示す
 江木晋戈君 之を正せ  その後学 草場廉 拝具す

 

訳 注
衡門(こうもん) 粗末な門
(じょう) めぐる、めぐらす
散地(さんち) ひまな地位
鳩居(きゅうきょ) かりずまい
鳩は自分で巣を作らず鵲
(かささぎ)の巣を使うことからいう
鵲巣(じゃくそう) 鵲の巣
鵠卵(こうらん) 白鳥の卵、大きいもののたとえ
鶏翼(けいよく) にわとりの翼
(び) けずる
無慙(むざん) いたわしいこと、ふびんなこと
董子(とうし) 天下を董正するような人
江木君晋戈 江木鰐水のこと、晋戈は江木鰐水の字
(せい) ただす、ただしくさせる、=正
草場廉 廉は草場船山の名

 

未装