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00178七言絶句「客非相約」(中島棕陰)

 

七言絶句「客非相約」 00178
中島棕陰 書
135 ×28 cm
↓読み ↓読み下し
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

大 意
お客様は相約束しているのでもなく、また主人が招いたのでもないのに、ぶらりとお出でになった。
たまたま興じて俱に楽しみ、我が家の心満たされず物寂しくしている主人を癒してくれた。
我が家にも一本の侘しい秋の燈火がつくころ、庭は木々の影をうつし出している。
風が吹いて蘭の花を揺るがし、菊にはもう夜露が降りている。それが宵の迫った燈火にぴかりぴかりと照らされている。

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

訳 注
(きん) よろこぶ
(落款)棕陰 棕陰は中島棕陰のこと
(姓名印)隝規 隝=島、中島の島の意味か
(まどか)は中島棕陰の諱
(雅号印)士成 士成は中島棕陰の字
(遊印)采眞
未装
この書の解読には、ひしきまこと様のご教示を頂きました。
出典1:『江木鰐水関係古文書綴』、松浦董雄著、福山誠之館同窓会編、平成12年8月