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00172書「記曾行李」(源光弼)

 

書「記曾行李」 00172
源光弼 書
嘉永6年(1853年)
22.4 × 14.8 cm

 

↓読み
 
 
 
 
 

 

 

↓読み下し
 
 
 
 
 
 
 
 

 

大 意
江木氏はかつて行李の荷物をもって、我が茅屋に来た
周囲は海で、近くの野山は荒れて薇が茂っていた
ある夜、たちまち千里をいく乗物を思った
ずいぶんのちに幾人もの人を経て簡単な信書が届いた
彼は居宅を学校のそばに決めたようだ 
都門は裾を曳いて入り難かった
幸いにも、この門は里の入口であった
門は通行する人をより分けている 今の世も匂いを嗅ぎ分けて好いたり嫌ったりする
しかし江木氏は清濁をあわせ呑む人で、はたして後に大人物となった
 思いを寄す
 江木君兄長
  嘉永6年(1853年)2月21日 源光弼

 

↓遊印

 

訳 注
(りょ) いおり
郊墅(こうしょ) 田んぼの中にある家
門閭(もんりょ) 村の入口にもうけた門、里門
薫蕕(くんゆう) よい香りの草と臭いにおいの草、善と悪や賢と愚のこと
江木君 ここでは江木鰐水のこと
癸丑(みずのと・うし) ここでは嘉永6年(1853年)のこと
(ねん) 廿
(落款)源光弼
(遊印)○詩○

 

未装