福山誠之館同窓会 > 所蔵品 > 00153七言律詩「送江木君帰黄薇」（古川七之進）

00153七言律詩「送江木君帰黄薇」（古川七之進）

 

七言律詩「送江木君帰黄薇」　００１５３
古川七之進 書
３０.４ × ４６.２ cm

 

↓右
自
此
托
相 ：
思 ：
。
愁
遠
憐
馳
連
夙 ：
志 ：
。
鴻 ：
魚
示
臨
岐
酬
別
巵 ：
。
書
劔
瓜
期
未
至
忽
分
離 。
恨
　
黄 ：
薇 ：
江 ：
木 ：
君 ：
晋 ：
戈 ：
帰
　
送

 

↓左
　
福
岡
　
古 ：
川 ：
廉 ：
再
拜
無
良
友
君
餘
師 。
如
　
君
求
道
志 。
縦
雄
裕
被
一
時 。
天
質
凄
笛
是
何
意 。
講
後

 

↓読み下し
縦
た
と
い
良
り
ょ
う
友
ゆ
う
無 な
く
と
も
君
は
師
に
餘
あ
ま
る
天
て
ん
質
し
つ
君
の
如
き
道
志
を
求
む
講
後
雄
ゆ
う
裕
ゆ
う
と
し
て
一
い
っ
時 し
を
お
お
う
愁
う
れ
い
は
遠
し
　
凄
せ
い
笛
て
き
は
是
れ
何
の
意
ぞ
鴻
こ
う
魚
ぎ
ょ
は
此
れ
よ
り
相
そ
う
思 し
を
托
た
く
す
書
と
劔
に
憐
れ
み
馳
せ
て
夙
し
ゅ
く
志 し
を
連
ぬ
　
別
べ
っ
巵 し
を
酬
し
ゅ
う
せ
し
を
恨
む
ら
く
は
岐
わ
か
れ
に
臨
ん
で
示
す
に
瓜 か
期 き
　
未
だ
至
ら
ざ
る
も
　
忽
た
ち
ま
ち
分
離
す
江
木
君
晋
戈
黄
薇
に
帰
る
を
送
る

 

大　意
君の好きな瓜の季節はまだ来ないのに、忽ち私と相分かれることになった。
残念なことではあるが、別れのときの慣わしとして杯を酌み交わそう。
書を読み剣をとって奔走したことは、君の早くからの志であった。
鴻と魚はこれより文武両道を愛したことである。
遠い昔には愁い悲しみもしたが、ものすごい鼓笛の音にびっくりしてこれは何なのかと聞いたこともあった。
この訓練のあとは、ゆったりと寛ぎもした。
君のような天賦の素質と道を求める志の強さをもった人は、他にはいない。
私には良友といえるものはいないが、君のような師以上の友がいる幸せを思う。

 

↓姓名印 ↓雅号印
省 古
印 川
甫 字
正

 

↓遊印
瞑
月

 

訳　注
江木君晋戈（えぎくん・しんか） 江木君晋戈は江木鰐水のこと、晋戈は鰐水の字
黄薇（こうび） ＝吉備
巵 杯
夙志（しゅくし） 早くからのこころざし
鴻（こう） おおとり
相思（そうし） 思いあうこと
◎ ◎
（落款）古川廉 廉（きよし）は古川七之進の通称？
（姓名印）古川省印 －
（雅号印）字正甫 正甫は古川七之進の号？
（遊印）瞑月（めいげつ） くらい月、おぼろ月

 

未装