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00129七言律詩「十年湖海」(草場船山)

 

七言律詩「十年湖海」 00129
草場船山 書
24.4 ×44.7 cm

 

↓読み
 
 
 
 
 
 

 

↓読み下し
   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

大 意
このところ十年ほどは、世間との関わりを避けて生活している。
しかし自然に年を重ねた。もう古稀となり、驚いたり喜んだりしている。
静かに落ち着いて住む家屋も我が顔も、古びてしまった。
春の土についている爪跡は鴎のようだが、今の自分にはそれもよく分からない。
一生をかけて学んだことも、今の世には役に立たない。
今や名を成すには、余技として文を善くするのみである。
思い起こせば、多くのすばらしい我家の弟子たちの活躍は素晴らしかった。
若いときには思う存分活動したかとも思うが、それでも満足のいくものではなく、今考えるとそれは果して何であったのだろうか。

 

↓姓名印 ↓雅号印

 

↓遊印

 

訳 注
湖海(こかい) 世間
落居(らっきょ) 落ち着き先
屋梁(おくりょう) 家屋
畢生(ひっせい) 一生、終生
盛筵(せいえん) 盛大な宴会
華藻(かそう) 美しい飾り、文飾
(落款)草場廉 草場廉は草場船山のこと、廉は草場船山の名
(姓名印)草場廉印 廉は草場船山の名
(雅号印)草場立大 立大は草場船山の字
(遊印)寧斉巧拙
未装