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00124「才智敏英者」(落合雙石)

 

書「才智英敏者」 00124
落合雙石 書
文久4年(1864年)ごろ
紙本軸装 140×32.3 cm
↓読み ↓読み
 
 

 

大 意
才智鋭敏の者は、学問をもってそのがさつさを治めなければならない。
気節激昂の者は、まさに徳性をもって偏るのを融かすべし。

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印
寿

 

解 説 (出典1)
 清末の英雄にして哲人であった曾国藩(そう・こくはん)の座右には「四不訣」の言葉がありました。
「激せず、操
(さわ)がず、競わず、随(したが)わず」の四つの「不」訣である。
人間の才だの、知だの、腕が立つと、どうしてもガサガサする。非常にダイナミックな動的なものだからバタバタする。とかく才人は理屈を言う。余計なことを考える。そして、どうかすると軽薄になり、がさつになる。「激、躁、競、随」をするその躁を治めてしっとり落ち着かなければならん。
(解説)曾国藩(そう・こくはん)
中国・清末の政治家(1811-1872)。湖南省の人。太平天国平定のため義勇兵を募って湘軍を組織し、1864年これを鎮圧。直隷総督・両江総督などを歴任。また洋務運動運動にも尽力し、学者・文筆家としても有名。 (出典2)

 

訳 注
「才智英敏者~」
出典: 陸湘客著『酔古堂剣掃(すいこどうけんすい)
陸湘客: 中国・明末期の人
気節 意気の節操、しっかりした気質と節操
(落款)雙石七十六翁賡 雙石は落合雙石のこと
七十六翁は七十六歳の時の書ということ
賡は落合雙石の名
(姓名印)藤賡之印 藤の意味は不明
賡は落合雙石の名
(雅号印)字子載 子載は落合雙石の字
(遊印)恭財寿
出典1:『酔古堂剣掃「人間至宝の生き方」への箴言集』(PHP文庫)、167頁、安岡正篤著、PHP研究所刊、2005年7月19日
出典2:『新世紀ビジュアル大辞典』、1439頁、「曾国藩」、学習研究社編刊、1998年11月9日