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00122七言律詩「枕衾裡面」(山川東林)

 

七言律詩「枕衾裡面」 00122
山川東林 書
136 × 30 cm
↓読み
 
 
 



 

↓読み下し
 
 
 
 
 
 

 

大 意
(まくら)と衾(ふすま)に面(かお)をうずめて寝ながら、かすかな歌を静かに聞いたり、自ら歌ったりして楽しんでいる。
茣蓙を織る機械を投げ出すに、梭(ひ)ほどの重さしかない。
自ら歎くことである。いくら苦心惨憺しても中々納得のいく句はできない。
詩人の根本は徳を積むしか方法がない。
門前を掃き終えて、きれいに苔の生えるのを待つ。
家に帰ってみると、台所には食材がいっぱいだ。
昔は両手で太刀を意のままに操ったものだ。
酒宴では勢いあまって唾壷を壊し、それを詩にもした。

 

↓姓名印 ↓雅号印

 

↓遊印

 

訳 注
幽哦(ゆうが) かすかに聞こえる歌
抛却(ほうきゃく) 投げうつ
蓙機(ざき) 茣蓙を織る機械
(ひ) 織物機の緯(たていと)を送る小さい木片
盛徳(せいとく) 盛んなる徳
(か) =痾(あ)、病のこと
罷る(まかる) 帰る、終わる、休む、疲れる
(ばい) いちご、ごみ
(かん) たけなわ
唾壷(だこ) たんつぼ
疂韻(じょういん) 同韻の二字が相連なること
(落款)東林蒙 東林は山川東林のこと、蒙は山川東林の名
(姓名印)山蒙印信 山は山川東林の山、蒙は山川東林の名
(雅号印)聖功 聖功は山川東林の字
(遊印)詩言志
出典: 『詩経』「大序」
読み: 詩は志を言う
大意: 詩は人の志を言葉に言い表すものである
未装