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00050七言絶句「龍在丙辰」(小島成齋)

 

七言絶句「龍在丙辰」 00050
小島成齋 書
安政3年(1856年)
紙本墨書 133×28 cm
↓読み ↓読み下し
 
鹿
鹿

 

大 意
今年は立派な人が現われて本命の年となるだろう
平凡なままに歳を重ね、前賢には恥ずばかりである
病に罹ったが、おかげで暇にはなった
人生何が幸いか、運命に委ねるのみだ

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

訳 注
丙辰(へいしん・ひのえたつ) ここでは安政3年(1856年)のこと
白頭(はくとう) としより
鹿々 平凡なさま
人間(じんかん) 世間
まげて、むりに
塞翁(さいおう) =塞翁馬(さいおうがうま)、人生の禍福は定まりなく変わるので、禍福を喜んだり悲しんだりすべきでないというたとえ。昔、北辺のとりでのほとりに住む老人の馬が塞外に逃げたが、やがて北方の良馬を連れて帰り、その子が喜んで乗ったら負傷してびっこになり、それが幸いして戦争の徴発ををまぬがれたという故事。「人間万事塞翁馬」(淮南子、人間訓)
(姓名印)原知足印 原は源氏のこと、知足は小島成齋の名
(雅号印)負丘山人 負丘山人は小島成齋の号
(遊印)風翁 風翁は小島成齋の晩年の号

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、66頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日