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00048七言絶句「寒風解纜」(山岡八十郎)

 

七言絶句「寒風解纜」 00048
山岡八十郎(山岡次功) 書
天保年間初期(1830年前後)か
紙本墨書 130×27 cm
↓読み ↓読み下し

 

 大 意
寒風の頃、怒波のなかを出帆す
千里も離れた師を追う報国の情
これを為してつとめてはげむは操志厚し
行く道には飛雪が満ちておとろえるきざしもない

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

解 説
江木健哉の江戸遊学を送る歌。
山岡八十郎は、若年時から江木鰐水との親密な交流があった。年齢的には6歳年下の山岡が、鰐水の遊学に際して奉じたということから天保年間の初期(1830年前後)、10代から20代のはじめごろの作品であろう。

 

訳 注
解纜(かいらん) 船のともづなを解くこと、出帆すること
孜々(しし) つとめいそしむさま
(落款)健哉 江木鰐水の別号
(う) ゆく、往
東都 江戸のこと
(落款)山岡次巧 次巧は山岡八十郎の諱
(姓名印)山岡次巧 次巧は山岡八十郎の諱
(雅号印)字立道
(遊印)蕉雨

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、65頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日