福山誠之館同窓会 > 所蔵品 > 00042七言絶句「秋蝶『偸香曽是』」(江木鰐水)

00042七言絶句「秋蝶『偸香曽是』」(江木鰐水)

 

七言絶句「秋蝶(偸香曽是)」 00042
江木鰐水(江木晋戈) 
紙本墨書 139×31 cm
↓読み ↓読み下し
 
 
 
 
 
 
 
 

 

大 意
蝶は花の甘酸っぱい香に誘われて、かつては春の華と戯れていた。
露は冷たく、秋の花園に写した夕陽は痩せ細っている。
色褪せた黄色の蝶は、未だに花々へ群がっている。
移り気な蝶は、女郎花(おみなえし)にも舞っている。

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

訳 注
秋蝶(あきちょう) =老蝶。立秋を過ぎてから見かける蝶のこと。春や夏の蝶にから比べるといくらか弱々しい印象を受ける。冬が近くなるとその数もめっきり少なくなる。
(落款)鰐水戩(ゆき) 鰐水は江木鰐水のこと。戩は江木鰐水の名。
(姓名印)○○○
(雅号印)老華 老華は「老いて華になる」の意。
(遊印)汝○朝天

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、64頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日
出典2:『2003年度秋季特別展№73 茶山・朴斎・鰐水-福山藩の儒者たち-』、70頁、福山城博物館編刊、2003年10月12日