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00039七言律詩「聞就仙家」(門田朴斎)

 

七言律詩「聞就仙家」 00039
門田朴斎 書
弘化4年(1847年)
紙本軸装 130×30 cm
↓読み

 
 
 
 
鹿





穿

 

↓読み下し
鹿
穿

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

解 説
弘化4年(1847年)、学友江木鰐水が芙蓉杖を入手したことをきいた門田朴斎は、その杖が持つという呪力を想像して、この詩を詠じたものと思われる。道家の思想によるものであろうか。

 

訳 注
なす、なしとげる、しあげる、終える。
仙家(せんか) 仙人、ここでは鰐水のことか。
(きょう) 杖に適する竹、杖
玉芙蓉 美しい蓮花、轉じて富士山の異称
陰嶺 北方の山
(けつ) えぐる
東溟(とうめい) 東方の空
憑空 空に身を托す
蒼龍
(そうりょう・そうりゅう)
星座を五つに分けたその一。二十八宿中の東の七宿。方位の四神(蒼竜・白虎・朱雀・玄武)の一。松の老木などの形容。
登覧 高いところにのぼってながめる
八朶峰
(はちだの・みね)
八朶は八枚の花弁のこと。富士山を遠望したとき、その頂上の凸凹が蓮の花の先端に似ているので富士山を八朶の峰、芙蓉(蓮)の峰という。朶は、もと花の群がりを数える語、誤って花弁の意に用いた。
(落款)江木晋戈 晋戈は江木鰐水の字
(落款)門田鄰 鄰は門田朴斎の諱
(姓名印)門田鄰 鄰は門田朴斎の諱
(雅号印)堯佐 堯佐は門田朴斎の字
(遊印)云々
(うんぬん)
①しかじか、これこれ、引用した文を途中で切り、以下を省略するときに用いる。
②「という」「ということである」の意で、引用の文または句の下につけて文を終る。
③一言で言い切れない事情を説明するかわりに用いる。「-の事情がある」。

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、64頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日