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00035七言絶句「夢断」(篠崎小竹)

 

七言絶句「夢断」 00035
篠崎小竹 
絹本墨書 25×37 cm
↓読み
 
 
  
西


 

↓読み下し
 
西
 

 

大 意
夢が途絶えてふと目覚める真夜中、篷(とま)をあげてまた横になる。
川面は靄でかすみ、西も東もわからない。
舟をあやつる櫓(ろ)の音も止み、船頭の話し声もなく静かだ。
さあ、帆をあげてこの月明かりの中を遡(さかのぼ)ろう。

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

訳 注
三更(さんこう) 夜の12時から2時ごろ
(らん) ふす、=臥
(ほう) とま、竹やかやなどを編んで船や車のおおいをするもの
(くわう) 狼の一種
(らい) 怪物の名
(落款)小竹散人 小竹散人は篠崎小竹の号
(姓名印)篠弼
(しの・たすく)
篠は篠崎のこと、弼は篠崎小竹の名
(雅号印)小竹 篠崎小竹の号
(遊印)自然
(しぜん・じぜん)
人の作為によらずに存在するものや現象、また少しも人為の加わらないこと、しぜん。
天から受けた性、物の本来の性、天性、本性。
しぜんに起こる予期できない事件、万一のこと、もしものこと。
死ぬこと、もしものこと。

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、62頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日