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00034七言絶句「豈惟偕老」(宮原龍)

 

七言絶句「豈惟偕老」 00034
宮原龍 
紙本墨書 136×29 cm
↓読み ↓読み下し
 
 
 
 
 

 
 

 

大 意
夫婦で共に生きようと約束していたのに、急に逝ってしまった
妻がいなくなって心は傷み、涙が止まらない
教育が成って成人するのはいつのことになるのだろうか
わが膝にのる七歳の児を、どうすればいいのだろう

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

解 説
妻に先立たれた夫(宮原龍)の嘆きと悲しみの詩だろうか。

 

訳 注
偕老(かいろう) 「偕老同穴」、夫婦の固いちぎり、生きてはともに老い、死んではともに同じ穴にほうむられる
愆期(けんき) 約束の期限を破ること
悼亡(とうぼう) 妻の死を悲しみいたむ、広く妻子・友人などの死をいたむ場合にいう
(落款)池南学人 池南学人は宮原龍の号
(姓名印)子淵(しえん) 季淵は宮原龍の字
(雅号印)余嬾是眞 (ラン)はおこたる・ものういの意。
余嬾是眞は、「自分は本当に怠惰である」の意か
(遊印)従吾所好
出典: 『論語』述而第七
読み下し: 吾が好むところに従わん
大意: 自分の好きな道に没頭して暮らしたい (出典2)

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、62頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日
出典2:『論語 全訳注 増補版』(講談社学術文庫)、149頁、加地伸行著、講談社刊、2009年9月10日