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00017試筆「功徳山」(阿部正弘)

 

試筆「功徳山」 00017
阿部正弘 書
紙本墨書 扁額 28×78 cm

 

↓落款

 

↓姓名印 ↓雅号印 ↓遊印

 

訳 注
試筆(しひつ) 新年にはじめて毛筆で文字を書くこと。かきぞめ。筆はじめ。
(落款)裕軒 裕軒は阿部正弘の号
(姓名印)福山侍従 福山は福山藩主のこと、侍従というのは朝廷の臣であるということ
(雅号印)
阿部朝臣正弘
阿部と正弘とで阿部正弘のこと、朝臣は幕臣はもともと朝廷の臣下でもあるということ
あそみ。三位以上の人の姓の下(姓朝臣)、または四位・五位の人の名の下(名字朝臣)につける。「菅原朝臣」「藤原敏行朝臣」など。
(遊印)居安思危
(こあん・しき)
読み 安きに居りて、危うきを思う
大意: 平安無事のときにも、危難に備え用心を怠らないこと
出典: 『春秋左氏傅 襄公十一年』
春秋左氏傅のなかでは以下のように続いている
居安思危: 安きに居りて、危うきを思う
平安無事のときにも、危難に備え用心を怠らないこと
思則有備: 思えば則ち備えあり
心配りをするということが既に備えとなる
有備無患: 備えあれば患いなし
準備を怠らなければいざという時に慌てずに済む
試筆「功徳山」は、岡田定氏より昭和8年(1933年)1月17日に寄贈されました。
出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、58頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日