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00006七言二行詩「軽陰閣雨」阿部正精

 

七言二行詩「軽陰閣雨」 00006
阿部正精 
文化3年(1806年)秋
紙本軸装 120×44 cm
↓読み ↓読み下し

 

大 意
うす曇りの楼上には護衛の兵士をとどめ、寒々として凍えんばかりの春を祝いの杯で送ろう。

 

↓姓名印 ↓雅号印

 

↓遊印

 

訳 注
軽陰(けいいん) 薄曇り
天仗(てんじょう) 儀式用の武器を帯びて天子につき従う儀仗兵
(落款)丙寅(ひのえ・とら) ここでは文化3年(1806年)、正精はこの年5月、33歳で寺社奉行に就任
(落款)棕軒 棕軒は阿部正精の号
(姓名印)阿正精印 阿正精は阿部正精のこと
(雅号印)字子純 子純は阿部正精の字
(遊印)善悪楽々先王之圭強脧矣
(けい) 玉製の礼器。上部がとがり(あるいは丸く)、下部が四方形の玉製の器。天子、諸侯が重要な儀式を行うときに手に持ち、その大小で身分差を示した。また天子が諸侯に授爵して封(ほう)ずるときに与えた。圭玉。
(さい・すい・せん) ちぢむ、へる

 

出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、56頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日