00251『行庵詩草(生集一、涯集二)』武元登々庵
『行庵詩草(生集一、涯集二)』 00251 | |||||||
武元登々庵 著 文化11年(1814年)刊 |
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解 説 |
この書は、飄遊の詩人・武元登々庵の数少ない詩集の一つである。「生集一」「涯集二」を合本して一冊としているが、その題名の由来は、彼が巻頭に記した一句「何興趣 青山一片是生涯」による。その一字づつを取って、生集一(薇山吟月)・涯集二(嚴島眠雲)・一集三(赤馬観涛)・片集四(紫溟弔古)・青集五(瓊浦探奇)・山集六(泛菴餘興)とし、遍歴の土地ごとの詩草を集めたものである。
一の「薇山吟月」は、文化4年(1807年・41歳)3月1日岡山を発し、総社・笠岡・福山・神辺・鞆の浦を見聞し、尾道に至るまでの作品58首をおさめている。薇山とは西備の山々である。 という一首は、沼隈郡山南村(現福山市沼隈町)に宿った時の感懐である。 二の「嚴島眠雲」は、文化4年から5年にかけて、広島・宮島に遊んだ時の作である。その中の圧巻は、5年4月に、神職・棚守子幹の案内で、舟で七浦めぐりをした時の「十絶」である。 さて、わが家同様に遠慮なく遍歴の據点とされた菅茶山は、一集・二集ともに序文を与え、また欄外にあたたかい短評を加えている。 |
出典1:『誠之館記念館所蔵品図録』、72頁、福山誠之館同窓会編刊、平成5年5月23日 |