七言絶句「熏蚊図（一室晩来）」　ｔ１３９０

草場船山 書

↓読み 平 高 枕 眠 。 　 　 熏 蚊 図 　 船 山 安 然 。 膺 ： 懲 ： 何 日 亦 如 此 。 成 就 太 一 室 晩 来 漲 黒 煙 。 蚊 群 掃 尽 意

↓読み下し

枕 ま く ら を 高 く し て 眠 る は 太 た い 平 へ い を 　 成 就 し て 　 亦 ま た 此 か く の 如 し 膺 よ う 懲 ち ょ う し て 　 何 い つ の 日 か 蚊 群 　 掃 い 尽 し て 　 意 安 あ ん 然 ぜ ん た り 一 室 　 晩 来 　 黒 煙 漲 み な ぎ り

大意

部屋の中に一晩中黒煙が立ち込めている 蚊の群れを追い払って気持ちも安らかである 何時の日であろうか、またこのように蚊を打ち払い 太平を成し遂げて、安心して眠ることができるのは

↓遊印

無 庶 愧 幾

訳　注
膺懲（ようちょう）	うちころす
◎	◎
（落款）船山	船山は草場船山の号
（遊印）庶幾無愧（しょき・むき）	出典： 文天祥（ぶん・てんしょう）の絶筆 読み： 庶（こい）幾（ねがわ）くは愧（はじ）無からん 大意： 願わくば、恥じることのない生き方をしたいものだ 文天祥： 中国、南宋末の政治家（１２３６年〜１２８２）。 南下する元軍に対し、徹底抗戦し、敗れて捕えられた。 降伏勧誘を拒み処刑された。 獄中作「生気歌（せいきのうた）」は有名。

ＴＷ氏蔵

２０１６年６月１３日追加●２０１７年１月１６日更新：印章・遊印●２０１７年１月１７日更新：印章・遊印●