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藩校誠之館句読掛、福山尋常中学校(誠之館)教師 | |||||||||
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経 歴 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生:嘉永2年(1849年)12月22日、備後国深津郡福山(現広島県福山市)生まれ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
没:大正9年(1920年)4月17日、福山で病没、享年72歳、神葬墓地(木之庄・仁伍谷墓地か)、尾道の西国寺に葬る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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生い立ちと学業、業績 |
生い立ち 阿部家の藩士・大和四方之助近忠の子として、嘉永2年(1849年)福山に生誕し、名は近殷、字は篤、通称は敬一郎・敬、号は恕堂。 氏の人となりは、質実剛健の風があり、幼時より学問を好んだ。 経歴と業績 安政3年に福山藩学誠之館に入学、門田朴斎・江木鰐水に漢学を学び、その高弟浜野章吉(箕山)とも交友があり、頼山陽の学系を受けている。さらに大沼枕山に詩を学び、他に門田重長、五弓雪窓や松本塾にも学んだ。彼は専ら経書を修める傍ら、詩文をよくしており、詩文・墨書で有名なものを郷土に多く残している。 慶応元年(1865年)17歳の時供番として初めて出仕する。明治元年(1868年)近習役隣、藩主阿部正桓に同伴して京師に行く。のち藩校誠之館句読掛、また正桓の読書掛となり、福山県権中属となる。常につつしみ深い漢学者であり芦田・品治・安那郡の学務掛長をし、教育には極めて厳しい態度で臨んだ人である。明治9年(1876年)、芦田郡広谷村に私立思誠館を開き生徒を教授し、その後福山尋常中学校(誠之館)で漢文・倫理・作文・国文などを教授、多くの子弟に敬慕されるところあつく、福山での有能な士を多数輩出させた功績がある。のち塾を尾道に移し「玉成館」と名を改めた。 有名な『恕堂詩文鈔』はその弟子達が報恩の思いで刊行した師弟愛にみちた遺稿集として有名。別に泰西思想の流入によって、ややもすれば徳義が忘れられ勝ちになる中、恕堂門下ではそんな兆しが一切見えなかったというのも当然なのかも知れない。 更に祠職にも長ずるところがあり、歿後は神葬墓地(木之庄・仁伍谷墓地か)に葬る。尾道の西国寺にもあるという。現多治米町大和八十一郎、草戸町大和方之助はその後裔である。 同窓会が所蔵する扁額「以修身為本」は、晩年(大正2年)の作品で、その書風からも氏の几帳面さを窺わせる。 (出典2〜4) |
誠之館所蔵品展示品 | |||||||||
管理 | 氏 名 | 名 称 | 制作/発行 | 日 付 | コメント | ||||
00083 | 大和恕堂 書 | 扁額「以修身為本」 | − | 大正2年 | 兼重治郎氏寄贈 | ||||
t1190 | 大和恕堂 書 | 七言絶句「恭賦社頭杉」 | − | 大正3年 | HT氏蔵 | ||||
05313 | 大和恕堂 書 | 七言絶句「春暮(半林新緑)」 | − | − | 笹井計二氏寄贈 | ||||
t0220 | 大和恕堂 書 | 七言絶句「太平有象」 | − | − | 個人蔵 | ||||
t0350 | 大和恕堂 書 | 「斫膾々」 | − | − | 個人蔵 | ||||
t0950 | 大和恕堂 書 | 「詠史(決死存家國)」 | − | − | 個人蔵 | ||||
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ||||
00274 |
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『恕堂詩文鈔』 | 永井僚太郎 | 大正7年 | − |
情報提供:兼重治郎氏(元誠之館教諭) |
出典1:『恕堂詩文鈔』、大和恕堂著、鳥山一郎編、永井僚太郎刊、大正7年4月20日 出典2:『備後備中先覚者名鑑(郷土を創った人々)≪上巻≫』、9頁、式見静夫編、備後文化出版社刊、昭和36年8月 出典3:『近世後期の福山藩の学問と文芸』、76頁、福山市立福山城博物館編刊、1996年4月6日 出典4:『誠之館百三十年史(上巻)』、107・494頁、福山誠之館同窓会編刊、昭和63年12月1日 |
2005年7月25日更新:レイアウト●2006年2月24日更新:所蔵品●2006年6月21日更新:タイトル・所蔵品●2006年9月5日更新:所蔵品・レイアウト●2007年12月5日更新:経歴・本文・情報提供●2008年8月13日更新:写真・誠之館所蔵品・出典●2009年1月14日更新:誠之館所蔵品・経歴●2009年8月4日更新:誠之館所蔵品●2010年6月2日更新:誠之館所蔵品●2010年6月10日更新:誠之館所蔵品●2010年6月23日更新:経歴●2011年11月16日更新:経歴●2014年4月18日更新:誠之館所蔵品展示品●2014年7月4日更新:本文・誠之館所蔵品展示品●2014年11月21日更新:誠之館所蔵品展示品● |